Concert Report by R.B. Araki
- UFO -
at Nakano Sunplaza, Tokyo
April 24th, 1998

Added on 04/25/1998
Updated on 05/02/1998


Set List
Song
1.Natural Thing
2.Mother Mary
3.A Self Made Man
4.Electric Phase
5.This Kids
6.Out In The Street
7.One More For The Rodeo
マイケルが突然ステージを去り、これ以降の公演は中止となった。


何といったらよいのでしょうか。まさか、日本でこんなことが起こるとは思ってもみませんでした。マイケルがまたやってしまったのです。この夜の公演の7曲めである「One More For The Rodeo」の演奏終了直後、マイケルは突然ステージを去ってしまったのです。

彼らが「One More For The Rodeo」の演奏を終えた直後、マイケルはマイクに向かって低く小さな声で何かを言いはじめました。ところが、私のすぐ後ろにいた大ばか者がマイケルが話している最中に私の耳の後ろで大きな叫び声を発したために、彼が最後に言った「アイム・ソーリー」という言葉以外は聞き取ることができませんでした。かれは、その直後に、抱えていた白のフライングVをステージに叩き付けて、ステージを去りました(無残にも、彼自身の所有物ではないはずのあのギターはネックが折れてしまったのでした)。

マイケルがステージを去った後、残りのメンバーはしばらく言葉を無くし、肩をすくめるしかありませんでした。そして、フィルが観客に対して謝罪の言葉を残し、ピート、ポール、そしてサイモンとともにステージを後にしました。観客はその後も手拍子を止めることはなく、会場のあちこちからコンサートの再開を求める叫び声が発せられました。しかし、主催者であるUDOの人間がステージに現れ、公演を打ち切り、チケットの払い戻しを行うとのアナウンスが行われました。彼によれば、これはマイケルの体調不良によるものであり、舞台裏でマイケルと主催者の間で話し合いが行われたが、マイケルが体調が悪く、これ以上公演を続けることができないとしたため、公演中止については何卒ご理解・ご容赦して欲しいと繰り返しました。その後しばらくして、ピート、フィル、ポール、サイモンがステージに再び登場し、ピートがグループを代表して、改めて観客に対する謝罪の弁を行いました。その中で、ピートは、マイケルの状況は先週米国で起こったことと関係しているとしました(注)。ピートはきっぱりとUFOは今後も活動を続けていくと言明しましたが、明日そして明後日の公演が絶対に行われるとは言うことができませんでした。これは、UDOにしても同様で、明日以降の公演については主催者に確認して欲しいとのことでした。

注:ピートが言ったアメリカの一件とは去る4月15日の公演でも8曲めの途中でマイケルがステージから突然姿を消して公演がキャンセルになった件のことと理解しました。この時は翌日の公演からマイケルが復帰し、キャンセルされた公演も振り替えで18日に行われました。この時も理由はマイケルの体調不良と されました。このことと今回も関係があるとピートは言いたかったのではないでしょうか。ちなみに、真偽のほどは分かりませんが、4月15日の件は、8曲めのビーナスの出だしをミスしたマイケルをフィルが笑ったからという噂もあります!?

マイケルのコンディションは悪いようには見えませんでした。最初の部分では微笑みさえ浮かべながら演奏を行っているようにも見えました。少なくても、彼にはギターを思い切り投げつけるだけの余力はあったようです。彼に何が起こったのでしょうか。本当に体調不良なのかもしれないし、自分の演奏に満足できなかったのかもしれないし、観客ののりに満足できなかったのかもしれないし、他のメンバーとの確執があったのかもしれません。いずれにしても現時点でははっきりしたことは何も分かりません。

事実、マイケルの演奏は最高とは言えないまでも、彼の水準から言えば通常のレベルだったと言えるでしょう。ミスもほとんどなく、意図しないノイズもほとんで出ていなかったと思います。強いて挙げるならば、「Out In The Street」の演奏中にボリュームコントロールを誤ったのが一番目立ったミスでしょうが、これも大した話ではありません。しかし、ストーリーライブでの神のプレイと観客の盛り上がりと比べると今回はひどく落ちるとは言わざるを得ません。やはり、神としては完璧を求めてしまったのでしょうか。

いずれにしても、何が起ころうとも、マイケルを声援する気持ちは変わりません。是非戻ってきてほしいものです。

最後になりますが、ピート、フィル、ポール、サイモンの皆さんのご辛抱には本当に感謝しています。もう一度、マイケルを見守ってやってください。

<補追1>上記は24日コンサート終了後、日が変わった25日深夜に書き上げて眠りに付きました。そして、4月25日と4月26日のコンサート中止を知らせる電話によって目を覚ますこととなってしまいました。誠に残念です。これにより、今回の中止理由をマイケル側で正当化できない限り、将来日本の大型ホールでの彼(UFOであれMSGであれ)の公演をプロモートすることは二度とできなくなる可能性大です。まったく残念です。

<補追2>上記レポート執筆後、なぜマイケルが途中でステージを降りたかに関して、相反する幾つかの情報を得ました。(1)マイケルは熱があった。(2)マイケルは指を怪我していた。(3)マイケル自身が自分は指を怪我しておらず、今後のG3ツアーも敢行するとは明言した。

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