Concert Report
by R.B. Araki

- MSG -
at Bay Hall, Yokohama
May 25th, 2000

Added on 05/29/2000
補追: 05/30/2000



セットリスト
Song
1.Cry For The Nations
2.Let Sleeping Dogs Lie
3.Rock My Nights Away
4.Three Fish Dancing
5.Captain Nemo
6.Essence
7.Into The Arena
8.Written In The Sand
9.Pilot Of Your Soul
10.In And Out Of Time
11.The Mess I've Made
12.Hello Angel
13.Fat City N.O.
14.Looking For Love
15.On And On
16.Attack Of The Mad Axeman
17.Armed And Ready
Encore
18.Too Hot To Handle
19.Lights Out

山手線のラッシュ状態の中で待つこと1時間強、ライトが落とされ、いよいよ開演。オープニングのCry For The Nationsのキーボードによるイントロが始まった。ドカーンという始まりではないので、何となく拍子抜けの感はあったものの、イントロ終了とともにサングラスをかけたマイケルがアンプの裏から登場。「オー!師匠ー!」直々に尊顔を拝むのは99年1月のサイン会以来。Cryのリフをマイケルが刻み始めると、会場は一気に興奮のるつぼと化した。前から2〜3列目を確保できた今回はさらに幸運なことに、目前に何も遮る物がないではないか。超ラッキー!神の全身がこんなに至近距離で拝めるとは。ドットインレイの白黒Vを抱えて、膝を軽く曲げて身体をスイングしながらリフを刻むマイケル。薄手の黒い網状のシャツを着たマイケルは上半身のたるみが若干気にはなるものの、いたってご機嫌そうだ。良かった。ソロに入ると、いとも簡単に中指で22フレットチョーキングをこなすマイケル。流石だ(でも自分の経験上、22Fチョーキングは薬指よりも中指の方がやりやすいのは事実)。割にオリジナルに忠実なソロだ。うーん。涙物だ。ワウペダルも全開だ。ペダルの踏み具合もバッチリ見えるではないか。またまた、感激。でも、マイケルのアンプからの生音とドラムしか聞こえてこない。周りのみんなもそんなこと全然気にしておらず、マイケルしか眼中にない。もちろん自分も同様。

2曲目はLet Sleeping Dogs Lieだ。少し意表を突かれた選曲だ。イントロはもちろんワウをかけている。気持ちいい。マイケルもワウを踏むと同時に口が開くのか!やっぱり自分だけじゃなくみんなそうなんだ、と妙に納得。でもマイケルの口の中に緑色の物体が。ガム噛みながら弾いているではないか。うーん。ちょっと見苦しい!?でももちろん何でも許しちゃう。畳みかけるように3曲目のRock My Nights Awayに突入。早くも観客のノリは最高潮に。中間部ではRock Will Never DieでもやったようにフロントPU音量をゼロにしたスイッチ奏法?(正式名称分からない)をさりげなく決めてくれた。この曲のソロもオリジナルに近いぞ。嬉しいような、いつもと違うような。ご機嫌は依然としていいようだ。サングラスの上の隙間から時々お茶目な目つきで観客を見るところがかわいい。

間髪入れずに4曲目のThree Fish Dancingが始まった。Adventures Of The Imaginationから何か演るとは聞いていたが、この曲か。アルバムではかなりギターの音が重ねられていたので、ライブでどのようなアレンジでやるのかと思っていたが、ギター1本でも全然問題なく、かっこいい(実際はWayneもギター弾いているけれど全く聞こえてこない)。ほとんどがアルバム通りに弾いている感じだ。オクターブ奏法?(これも正式名称分からない)が多用されているのが特徴的で、それによって音にとても厚みが出ている。The Unforgiven以降のマイケルの新機軸と言えよう。でもちょっと待てよ。オクターブ奏法においては上の音をピックを持っていない指で弾いているのかと思ったら、そうじゃないぞ。ピッキングの様子もはっきりと見えるけど、どう見てもピックでしか弾いてないようだ(違ってたらごめんなさい)。とすると左手で真ん中の弦をミュートして、一気に弦3本を弾き切っているのか!ちょっとびっくり。それともこれは常識なの?ここからは、怒濤のインストコーナーだ。Captain Nemo、Essenceをタイトなリズム隊にのせてバッチリ決めてくれた。そして一連のインストの最後となるのはやっぱりInto The Arena。ここで観客は再び会場を揺らさんばかりの盛り上がり状態に。いままでどうしても分からなかった中間部ベースソロの少し前の運指に注目だ。うーん。大体自分の運指と同じように見えたが、最後のところが自分の運指とは違うはずだけどやっぱり速すぎて分からない。まあいいか。ベースソロ部分のBarryとShaneは相変わらずハイテクプレイでの見せ場を作ってくれている。ようやくベースの音が聞こえるぞ。しかし、何曲目か忘れたが、透明のプラスチック製カップをステージに投げ入れた大馬鹿物がいた。マイケルに向かって右手1m位のところをカップがかすめ飛んでいき、ローディが急いで回収した。一瞬悪い思い出が頭をよぎり、ご機嫌を損なうのではとビビったが、神はその後も何もなかったかのように演奏を続けてくれた。ああ、よかった。

再びボーカルのKeithが登場。まずは、Written In The Sandだ。観客も一休みと行った感じか。息付く暇無くPilot Of Your Soul、In And Out Of Time、The Mess I've Made、Hello Angel、Fat City N.O.とすべてThe Unforgivenからの選曲だ。さすがに、観客への浸透度が往年の名曲よりは落ちるのか、少し盛り上がりに欠けていた。そしてマイケルのリフやソロもあんなに至近距離にいながら聞き取りづらい場面が多かった気がする。特に、Fat Cityはとても音程が取り辛く、Keithの音程と合っているのかどうかさえ分からなかった。それにしても、今回は予想以上にワウを多用しているな。それも、従来のようにトーンをコントロールするというよりは、文字通り「ワウワウ」という使い方がとても多い。ここ数年のマイケルからすると、The Unforgivenからのナンバーでもワウを使うとは思わなかった。

しかし、今回はほとんどMCというものがない。Unforgivenシリーズが終わるとまた休む暇無く次の曲へ。なんと、Looking For Loveだ。再びの往年の名曲に観客はまたもヒートアップ、コンサートもエンディングへ向けOn And On、Attack Of The Mad Axeman、Armed & Readyへとまっしぐら。もちろん会場は大合唱だ。

メンバーは一旦退場。ツアーマネージャーのTonioが出てきて、アンコールを求める声援を先導してくれる。Tonioが70年代のオリジナル・マイケル登場と言って、舞台から消えた。メンバーの再登場だ。あれ、マイケルはどこ??一瞬分からなかった。何と、ブロンドの長髪のカツラをかぶったマイケルが上着も銀色にドレスアップして登場だ。やられたー。この間の自分のライブでやろうとして出来なかったネタを先にやられてしまった。アンコール1曲目はToo Hot To Handleだ。本日初めてのUFOのナンバー。やっぱり良い曲だと再認識。なんとマイケルが上向き加減でマイクに向かって唄っているではないか。感激。でもカツラをかぶるとそれなりに若く見えるから、西洋人は特だ。本日のラストナンバーはLights Outだ。あー!ソロでもないのに弦が切れたー(多分5弦)!ヤバイ。急いでローディーがブロックインレイの塗装はげはげ状態のVと交換。しかーし。何ということだ。このギターの整備が不良ではないか。リアピックアップが接触悪いのか音が出ない。しかたなく、フロントで弾かざるを得ないマイケル。そのせいで、音が「もこもこ状態」になってしまう。時々治ってないか確かめるかのように、リアに戻してみるが、やっぱり治らない。自分がマイケルなら発狂するぞ。何のためのスペアギターなんだ!そうこうしている間に、ローディが切れた弦を張り替えて、ステージ脇で待機。私もマイケルに向かってそのことを指で合図したけど、マイケルはその後一度もステージ袖を見ることなく、後半ソロもフロントで弾き切ってしまった。最後の曲だったからもう諦めたのかもしれない。しかし、マイケルは怒りの表情を見せたりすることは決して無かった。そしてピックを会場に投げて、ステージを去った。うーん。大満足の1時間半だった。満足感と幸福感の中、我々も会場の外へ出た。

今度はサイン会だ。グッズを買った人から抽選で1人1品サインをもらえることに。私は日頃の行いが悪いため抽選に外れてしまった。ところが、心優しい友人が私に当たり券を譲ってくれました。あー、神よ感謝します。持つべきものは友達です。私はすぐに駐車場に戻り、持参したフライングV(白黒)を取ってきた。ルドルフ・シェンカーのサインが入っているそのギブソンフライングVは実は売り払おうと思っていたが、とても高値で売れそうもないことが分かったために、売るのを諦めたものだったが、売らなくて良かった。これで兄弟サインそろい踏みだー。大満足の一日でした。

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